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くらすの家

特集インタビュー 田舎で暮らす格好いい人たち

体にいい、地球にいいすてきな田舎暮らし

インタビュー マクロビオティック料理研究家 中島 デコ/聞き手:平秀信(『安くていい家をつくる会』主宰)

玄米や旬の野菜、自然のうまみを味わう料理

 私は工務店を経営したり、安くていい家を建てるノウハウを同業者にレクチャーしたりと、長年家づくりに携わってきた人間なんですが、このところ田舎の価値を再認識し、田舎暮らしに挑戦しようと思っているんです。中島さんの著書を読んで非常に興味を持っていました。

中島 ありがとうございます。でも私、料理研究家とか田舎暮らしの達人とか言われますけど、5人の子供を育てながら「実践」してきただけで、あまり大したことはしてないんですよ(笑)。若気の至りっていうの?
食べたいものを食べ、お酒やタバコを覚えて、散々好き放題の食生活を送っていたけれど、いざ子供がほしいとなったときに、「あら、こんなんじゃ、病弱な子供しか授からないかも?」と。その大変さって全部、子育てをする自分に跳ね返ってきますし。
そして体にいいもの、体が欲するものを摂るようにしたらマクロビ料理に至っただけなの。

 マクロビ料理は穀物や野菜、海藻を中心とした日本の伝統食がベースになっていますが、人によっては「これを食べてはダメ、あれも禁止」とストイックなイメージですよね。

中島 私はそこにこだわりすぎる必要はないと思ってます。動物性のものを食べたからといって、必ずしも病気になるわけじゃないから。でもマクロビの理論としては「陰と陽」のバランスがとても大事。それを追求していくと自ずと、玄米を主食にして、火の通った季節のお野菜をたっぷりいただき、そして皮をむかないもの・精白されていないものを食べるのが人間の体にとって最も自然で、中庸―バランスのとれた状態でいられるんです。
もし健康な食生活はしたいけどマクロビはハードルが高いと思う方がいたら、まずは添加物と白砂糖(※精製の過程をくり返す食品のため)をやめるところから始めるのがおすすめですよ。
さっきランチを食べていただいたけど、どうでした?見た目も悪くないし味もしっかりしていて、決して物足りなくはなかったでしょう?人間の体は環境と食べ物によってできています。だから、細胞が喜ぶような食べ物を食べていれば免疫力が自然とアップして、健康でいられるんです。私はそれを提案・提供して次世代に伝えたいと思っているの。

稼ぎも少なく、消費も少なく「足るを知る」が極意

 その努力が、このカフェを含む『ブランズフィールド』であったり、「滋滋の邸」という宿泊施設なんだと思うのですが、ビジネスとして成立しているんですか?

中島 どうでしょうね?・・・・・・というのも私、なるべく経済社会とは離れたところにいたいんです。今の人はどうもビジネス優先、経済優先でしょう?
でも、そんなの味気ない。私だって車に乗るし、パソコンも電気も使います。経済そのものや医療、動物性のものなどを否定しているわけではないけれど、「もっともっと自分の手でできることがあるんじゃない?」という考え方。「大きく儲けてたくさん使う」ではなく、農作業をして自分の食べる分ぐらいは自分でつくって、生きていける程度に稼げればいい。要は「少し稼いで、あまり使わない」ね。そうすれば金銭的に豊かではないかもしれないけど、ここ(ハート)は豊かよ。周囲の人と支え合いながら、楽しく、生き生きと生きて、上手に死ぬ―これが目標です。

 僕なんか、まだその境地には立てないなあ(笑)。ほしいものが尽きません。

中島 え~、物欲を追求して何になるの?(笑)
たとえばテレビ一つとっても、ブラウン管から液晶になり、さらに薄く、さらに大画面……って、物欲に応じてどんどん買っていっても、結局はゴミが増えて次世代に迷惑をかける結果にしかならなくありません? 地球規模で物事を考えたら、ほしがっている場合じゃないですよ。「足るを知る」よ。

 努力します。そして先ほどおっしゃった「上手に死ぬ」とは?

中島 私の理想の死に方は、医者の世話にならずに死ぬこと。「ばあちゃん、疲れたから少し昼寝してくるね」、そしてご飯時に呼びにきた孫が「あっ、ばあちゃん、動かない。死んどる」―こういう健やかな死に方なんです。血縁的な家族や精神的な家族とぎりぎりまで一緒にいて一緒に笑って、ぎりぎりまで働いて食べて、そしてフッと死ぬ。私は究極にはこのために田舎暮らしをし、マクロビ料理を食べているといってもいいくらい。管をたくさんつながれて苦しみながら死ぬのがイヤなのね。慎ましく質素に暮らして、気持ちよく死にたいんです。

土に寄り添って生きれば体の芯から健康に

 千葉県いすみ市のこの里山に移ってらしたのは、いつ頃ですか?

中島 15年前です。この土地をお借りして、少しずつ手を入れながら来ました。このカフェも最初は農機具小屋みたいな建物だったんですよ。

 短期から長期まで、研修生も受け入れていらっしゃるんですよね。

中島 ええ、自然と共生する暮らしの良さを若い人に伝えられないかと思って。寝るところとお食事は差し上げますから、その代わりに働いてねと。
ウチは厳しいですよ。6時半には起床して、全員で掃除、洗濯、炊事といった「共同生活のための労働」をし、7時半から朝食。ミーティングを交えて少し休憩したら、9時~12時は農作業。お昼の後も13時半~16時半はまた田畑で仕事です。そして最後にお風呂を沸かしたり調理したり、また共同生活のための労働をして、6時から夕食。片付けが終わったら、後は自由時間だけど、外はまっ暗だしテレビもないから、することがなくて早寝早起き(笑)。食事内容と相まって、心身共に健康になってみんな帰っていきます。

 すごいですねえ! みんなギブアップしたりしないんですか?

中島 もちろん、そういう人もいますよ。全員が全員、田舎暮らしや共同生活ができるわけではないですから。でも長い人は1~3年いたり。最初こそ私たち夫婦が投資をしたような格好ですけれど、今はむしろ若い人たちの働きによって食べさせてもらっているような状態。小さな小さな経済ですけど、サステナブル(持続可能)に回っています。

田舎暮らしは難しくない 穏やかに実直に暮らすだけ

 私もとある村に300 坪くらいの土地を買って、いよいよ田舎暮らしを始めようと思っているところです。
何か田舎暮らしを成功させる秘訣はありますか?

中島 すてきですね。だって、今って都市に人が集中しすぎじゃありません?もっと散らばるべきですよね。そして地域を活性化するの。日本には埋蔵されている石油や鉱物は少ないけれど、豊かで美しい自然は本当に豊富なんだからもったいないわ。今はネット環境もあるから十分に人とつながれて、楽しめて、田舎暮らしも昔ほど難しくありません。
田舎暮らしを始めたら、古参の住民の方々にいじめられたとか、地域になじめないという話をよく聞くけれど、自分の心がけさえしっかりしていれば、きっと時間が解決してくれます。地域に根ざしている人たちにとって、都会から来た新住民って恐いんです。「仲良くしても、引っかき回されるばかりで、すぐ出ていっちゃうんじゃないか?」「今まであった和が乱されるかも」って。その裏返しで攻撃的になったり、疎外したりしちゃうの。
だけど慌てないで。10年毎日ニコニコ挨拶して、やっと相手は心をほぐしてくれるものと思いましょう。「私たちはここで、あなた達を裏切らずにきちんと生きていきます」ということを態度で示していくほかはないんです。

 田舎暮らしに憧れている人は、どこから、どんなふうに始めたらいいですか?
まず仕事を辞めるべきか、土地と家を探してからかとか、始めるにも悩みが尽きないので。

中島 まずは念じることです(笑)。冗談じゃなく本当よ。だってタクシーに乗っても、黙っていたらどこにも連れていってもらえない。行き先を言うから、ですよね。「念じて口に出す」という作業を通じて、自分の将来像もイメージできるようになると、風が後押ししてくれるんです。きっと念じることで、本気なら行動が伴うんでしょうね。
一人でも多くの人が田舎の魅力に気づいてくれることを祈ってます。

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